日誌

生きる活力はアイドルです

ロー生が初めての傍聴に行ったよ

今週のお題ゴールデンウィーク2015」

 

ゴールデンウィークですね。私は2日から10日までの九日間が休みです。

 とりあえず勉強から逃れたいので、色々やってました。サイクリングとか散歩とかサイクリングとか。それから、ジャニーズWESTのコンサートに行きました。これはまた記事にします。そして!なんと!初めての裁判傍聴にいって参りました!!

 わたしは、法律を学ぶロースクールという学校に通っています。法律の勉強は始めてから五年目になります。しかし、面倒くささが先行して何故か今の今まで傍聴にいってこなかったのでした。だけども、法曹を目指そうとしている人間がこれではいかん(というか、今期刑事訴訟法を取っているので)世間様は平日だけど、私は休みなGWを活かして、行ってきました!以下、実際どんな感じだったかを書くので、よければ皆さんも行ってみてください。(極力専門用語を使わないで書いているので、ところどころ語弊が生じていますがご容赦ください。)

 

 今日は傍聴に行くぞ!と決めていたものの、だらだらしていた結果、午後14時前に東京地裁に到着しました。有楽町線桜田門駅からおりると、法務省赤レンガ庁舎の前を通って行くことになります。東京地裁は、東京高裁などと同じ建物の中に入っています。見た目は、普通のビルです。ただし、警備員さんがいっぱいいます。

 建物に入るとまず、手荷物検査があります。飛行機に乗るときと同じ検査を受けます。東京地裁は入って、目の前に警備員さんが座っている受付があって、その真横に開廷表があります。開廷表とは、どこの法定で、何時から、どんな事件の、どういう裁判手続きが行われているかが、書かれたものです。

裁判といっても色んな種類がありますが、大きく分けると、刑事裁判と民事裁判になります。刑事事件とは、みなさんもよく知るとおり、犯罪を犯したと疑われる人についての裁判です。一方で、民事事件は、おおむね刑事事件以外です。金返せとか、物返せとか、この土地は俺の物だとか、慰謝料よこせ、とか全部民事事件です。法律のことを全く知らずに民事事件を傍聴してもわけがわからないのではと思います。言い方は悪いですが、地味だったり、専門性が高かったりして、イメージがつきにくいのです。でも刑事事件は、日頃からニュースやドラマ小説などで触れる機会が多い分イメージもしやすいと思います。

また、高裁(高等裁判所)と地裁(地方裁判所)なら、地裁で行われる裁判を見に行った方がいいと思います。地裁の方が、事実について争うことが多いので、わかりやすいのです。そして、どういう裁判手続きを行うのかの欄には、新件、審理、判決のうちどれかが書かれていると思うのですが、審理が一番おすすめです。新件は一番最初の手続きで、ほとんど事務手続きで終わります。判決は、被告人に刑を言い渡して終わりです。突然見に行っても何が何だかわからないまま終わります。審理は、よくドラマの裁判のシーンでみるアレです。弁護人や検察官が、ばーっとやりあうアレです。現実はドラマみたいに派手ではないですが、審理回を傍聴すれば大体どういう事件で何が争点なのかはわかります。

最後に、どういう事件のものがいいか、ですが、とりあえず薬物事件を避ければあとは自分の傍聴してみたいものを選んだら良いと思います。

 ということで、開廷表をみて、どれにしようかなぁと思っていたところ、強姦未遂があったので、一つはそれに決めました。もう一つは、時間が合う物がそんなに亡かったので、詐欺事件のに、途中入室することにしました。

1.詐欺罪?

 東京地裁の一階はわりとどこにでもある庁舎という感じで、気楽にいたのですが、法廷のある階にあがってくると何とも言えない緊張感と静けさがありました。で、実際法廷に入ったところ、びっくりするくらい近い!あと暑い!というのが第一印象でした。本当に暑いしじめじめしてるし、身体に空気がまとわりついてくるみたいで、節電頑張ってるのかなぁと、思ってしまいました。傍聴席は、25席くらいで、半分ほど埋まっていました。そのうち半分がウォッチャーっぽい人、半分が学生のようでした。私が入室したときは、ちょうど弁護人質問が終わって検察側の質問に移ろうとしているときでした。途中入室しても誰にも気にされません。とりあえず、それでほっとしました。

 事件は、詐欺罪で仮釈放中の男性が、覚醒剤取引の受け取りだと思って現場に行ったら、じつは詐欺の受け取り役をやらされていたというもの(だと思う。)。故意がなければ詐欺罪は成立しないので、ずっと故意があったんじゃないかということを詰められてました。でも、被告人は警察に捕まるその瞬間まで、自分は詐欺をやっていたとは思い至らなかったって言い続けるんですね。検察も、被告人に逮捕の前に詐欺をしているという自覚をもったって言わせる一歩手前までは行くんだけど、以外とその一線はわらないんですよ。

 あと、一番衝撃だったのが、仮釈放中なのに、覚醒剤の受け取りをやること自体には、罪の意識が特になかったってことですね。まじかーそんなもんなのかーと、びっくりしました。世界は、まだまだ知らないことだらけです。

 とにかく、部屋がじめじめしていて、検察に詰問されている被告人をみていて、手錠と腰縄を生で見てしまって、色々と気持ちが落ち込んでしまった。軽い気持ちで傍聴にやってきたのに、30分くらいみていて、すでに犯罪には関わりたくないと深刻に考えるようになってしまっていたのでした。

 

2.強姦未遂

 そして、二つ目の事件が、住居侵入と強姦未遂。さっき傍聴していた事件と、裁判長と検察官が同じ人で、他のにすれば良かったかもと、少しだけ思ってしましました。

 これ、性犯罪だからあんまり事件の詳細書いたら駄目な気がするんだけど、被告人は性犯罪の常習犯で、前も性犯罪で長いこと懲役を受けていたらしい。そして、刑務所から出てきてすぐに起こした事件。夜中に鍵の開いていた女性宅に忍び込んで、わいせつな行為をしたけど、強姦はする前にやめたらしい。ちなみに、強姦になるかならないかのラインは、挿れたかどうかです。いれないかぎり何してもわいせつ行為です。この事件のポイントは、強姦をしないで途中でやめたっていうところで、これがもし自分の意思でやめようと思ってやめたなら、中止犯っていうものになって、刑が軽くなります。でも、被害者が○○してあげるから!っていったとか、警察がやってくるのに気づいて逃げた!みたいに、自分の意思ではない事情で犯行をやめた場合には中止犯にならないのです。なので、被告人は何を思って途中で強姦をやめたのか、が争点になっていました。

 この被告人、検察からの質問にもわりと真面目に何でも答えているように見えたんですよ。変にごまかしたりしてる印象もなく、まともに受け答えをしている。それが逆に、変な感じというか。だってこの人、検察側の話を聞く限りでは結構な常習犯なのに、なんでこんなにはきはき話してるんだろう、って。まるで他人事みたいに話してて、ここでも、世界にはまだまだ知らないことがたくさんある・・・と。

 というか、夜中に突然男が押し入ってくるなんてこと、本当にあるんだなと思って恐ろしくなりました。窓から、女性が住んでいる部屋かどうか確認したり、窓が開いてるかどうか確認してる。ドアノブ回してドアに鍵がかかってるかも確認しているという、陳述を聞いていて、ほんとに防犯には気をつけようと思いました。カーテンあけっぱで寝たり、ベランダの見える位置に洗濯物干したり、玄関の戸締まりちゃんとしないのほんとにダメ!危ない!

 わたしは、全然性犯罪の被害にあったことない人で、夜中に下半身丸出しおじさんに遭遇したぐらいなんだけど、それですら、未だに頭に焼き付いて残ってるのに、夜中に部屋にとつぜんおっさんが入ってきて、わいせつな行為をされてなんてしたら、もう一生頭からそのこと消せなくなるんだろうなと思うと、ただひたすらに被害者がかわいそうだなとしか思えませんでした。

 

で、ここでもう色んな意味で疲れてきたので、帰りました。

 検察の質問って結構きついんだけど、それを受けてる被告人をみていて、こんな風になりたくないなぁと思ったのが素直な感想です。惨めっていうか、情けないというか。刑事弁護やりたいって思ってた時期もあったけど、実際に裁判を目の当たりにしていると、こんな人たちの弁護なんかできるのかな?と思うし、被害者がただひたすらにかわいそうだな、と思ったのも素直な感想。

 軽い気持ちで傍聴に行ったけど、結果としていろいろ考えさせられてしまった。とりあえず、すくなくとも犯罪に巻き込まれないように気をつけられることは気をつけるぞ、と思うに至ったのでした。

 傍聴をすると、直感的に、犯罪はしちゃいけないなと感じられると思うので、言ったことない人には是非軽い気持ちでいってみて欲しいです。よく、人の大事な人生がかかっている場なんだから、軽い気持ちでなんかくるべきでないという人もいますが、実際に傍聴をしていると、とても冷やかしの気持ちだけではみていられません。そんなにヘラヘラしていられないです。だから、とりあえず、軽い気持ちで裁判所まで行って、色々考えるきっかけにしてくれたらな、と思います。

 

そんなGWでした!GWはまだ終わらない!